歯列矯正中の、口臭に悩んでいる、または口臭が起こりやすいと聞いたことがあるけど本当?と思っている方も多いのではないでしょうか。
実際、歯列矯正中は矯正装置を装着していない状態に比べて口臭が起こりやすい口内環境になります。それは装置が入ることで汚れが溜まりやすくなったり、お口が開いた状態になるので口内が乾燥したりすることが原因です。
矯正治療をすると、誰にでも口臭が起こるということではありません。 安心して矯正治療を行えるよう、矯正中の口臭の原因と対処法について紹介します。
《矯正治療中はどうして口臭が起きやすいのか?》
▶︎一番の原因は、磨き残し
矯正装置が入ると、装置の周りを綺麗に磨いていても、どうしても磨き残しが残る場合があります。磨き残しは、ある特定の部位にばかり残り、その汚れがお口の中で何週間も残ってしまうことで、口臭の原因となります。
▶︎お口の中の傷や炎症
矯正治療中は、器具が歯茎や唇、頬などにあたり、傷を作りやすくなります。 口内炎がひどくなり、膿がでるような症状の場合は、膿からの匂いが口臭の原因になることもあります。
▶︎一時的な開口(お口が開いた状態)になるため
矯正治療中は歯並びを綺麗に整えるために、噛み合わせから変えていくこともあります。 また、前歯が突出している、いわゆる「出っ歯」の状態を矯正する場合や 噛み混みすぎている歯並びを矯正する場合は、一時的に噛み合わせが開いた状態を作るため お口が開いている時間が長くなります。そうすると結果として、お口が乾燥する状態になり、口臭の原因となるのです。
口臭の予防には、正しい歯みがきが不可欠です。
《矯正治療中の歯みがきの仕方》
一般的な装置(ブラケット)が入っている場合は 矯正治療専用の歯ブラシを使うことで効率よく汚れを落とすことができます。
できるだけ、お口の中に汚れがたまっている状態を作らないためにも、食後は必ず歯磨きをしましょう。 また、間食もお口の中に残りやすい、クッキーやスナック菓子などを食べた時は歯磨きをすることをお勧めします。 そして、大切なのが夜寝る前の歯磨きです。寝ている時は、お口の中に唾液が少なくなります。 唾液が少ない状態で汚れがお口の中に残っていると口臭の原因につながりますので、夜寝る前の歯磨きは忘れずに行うことが口臭予防の近道です。
どうしても磨けない時は、うがい薬でうがいをするだけでも磨かないよりは口臭を防げます。
《矯正治療中の専用歯ブラシ》
矯正治療中に、装置の周りを効率よく磨くための専用ブラシがあります。
装置まわりの汚れを取り除くために毛は硬めなものが多いですが 歯が動いていて、痛みのある場合は毛が少し柔らかめの歯ブラシを選びましょう。 痛みもなくきれいに磨ことができます。 専用のやまぎりカットの歯ブラシで磨くことで装置の下に溜まった汚れをかき出してくれます。
装置周りの細い部分の汚れを取り除くには、ワンポイントブラシを使いましょう。
少し硬めの毛束で取りにくい汚れもきれいに磨くことができます。 磨きやすいように作られた山切りカットの1歯磨きブラシで 矯正装置にもひっかることなく効率よく磨くことができます。
《歯科医院でのケア》
矯正治療中は定期的に歯並びのチェックを行います。 その際に、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアで汚れをきれいに落とします。 自分では磨きにくい部位や、装置の隙間にたまった汚れもきれいにクリーニングをします。 同時に磨きにくい部位の磨き方の説明や虫歯、歯周病の予防方法のアドバイスも行います。